狂犬病予防法について
犬の飼い主様には、狂犬病予防法で狂犬病予防ワクチン接種が義務付けられています。
生後91日齢以上の犬を飼いはじめてから30日以内に1回、その後は毎年1回注射を受けなければなりません。
その理由と致しまして、狂犬病は、世界中で発生が認められている病気です。
日本では約50年発生がなく、世界的に数少ない狂犬病清浄国ですが、隣国の中国では年間約3000人以上の人が発症し、死亡しているという報告があります。
また、その他の国々でも清浄化は難しく多くの方が亡くなっています。
国際化がますます進む中で、いつ日本に狂犬病が侵入してきてもおかしくありません。
必ず予防注射を受けましょう。
犬の混合ワクチンについて
ウイルス病には、特効薬がありません重症化を防ぐため、大切な家族の命を守るためにもワクチンで予防しましょう。
ワクチンは、次のような病気を予防してくれます。
・ジステンパー感染症:
発熱、下痢、神経症状が起こり、全身に症状があらわれ治癒してもいろいろな後遺症が残る
ことがあります。死亡率も高く、大変怖い病気です。
・犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1型感染症):
アデノウイルスによる感染症で肝臓の炎症による嘔吐や下痢、食欲不振などが起こり、
目が青白く濁る(ブルーアイ)こともあります。子犬では虚脱し突然死することもあります。
・犬アデノウイルス2型感染症:
アデノウイルスによる感染症で、肺炎や扁桃炎など呼吸器病をおこします。
・犬パラインフルエンザ:
パラインフルエンザウイルスによる呼吸器病で、発咳、鼻水、扁桃炎をおこします。
アデノウイルスや他の細菌といっしょに「ケンネルコフ」と呼ばれる犬の風邪症候群を
引き起こします。
・犬パルボウイルス感染症:
血液の混じった重度の下痢や嘔吐・発熱をおこします。子犬に突然死をもたらす心筋型も
あります。伝染性が強く死亡率も高い非常に怖い病気です。
・犬コロナウイルス感染症:
下痢や嘔吐といった症状がおこり、腸炎をおこす感染症です。パルボウイルスと混合感染すると
症状はいっそう重篤になります。コロナウイルスとパルボウイルスを同時に予防することが
重要です。
・犬レプトスピラ病(黄疸出血型、カニコーラ型):
細菌によって腎臓や肝臓に障害がおきます。人と動物共通の伝染病です。代表的なものは、
歯茎に出血や黄疸がみられる黄疸出血型と、高熱、嘔吐、下痢などをおこすカニコーラ型の
2種類ですが、この他にもいろいろなタイプがあるので注意が必要です。野外で活動する犬ほど
感染しやすいので、予防が大切です。
猫の混合ワクチンについて
・猫ウイルス性鼻気管炎:
ヘルペスウイルスによるひどい感染症です。クシャミ、発咳、鼻炎などの呼吸器症状のほか、
結膜炎や潰瘍性結膜炎を引き起こします。高熱のために食欲がなくなり、鼻水と流涙など典型的
な風邪の症状がみられます。症状が落ち着いてもウイルスが体内に潜伏するため、体力が落ちた
時などに症状が再発します。
・猫カリシウイルス感染症:
はじめはクシャミ、鼻水、発熱など猫ウイルス性鼻気管炎に大変よく似た症状を呈します。
症状が進むと舌や口の周りに潰瘍ができることがあります。また、急性の肺炎をおこして死亡
することもあります。
・猫汎白血球減少症:
白血球が極端に減ってしまう病気です。パルボウイルスが病原体で、高熱、嘔吐、食欲が
なくなり下痢がはじまると脱水症状がおこり、体力のない子猫などは、1日で死亡することもある
怖い病気です。
・猫のクラミジア病:
クラミドフィラフェリスによる感染症です。菌が眼や鼻から侵入するため、結膜炎や鼻水、
クシャミ、発咳がみられます。肺炎がおこることもあります。
・猫白血病ウイルス感染症:
白血病やリンパ腫などの血液の
癌や貧血、流産などをおこします。病気に対する抵抗力(免疫)が弱まるため、いろいろな病気
も併発しやすくなります。感染してから発病するまでの期間が大変長く、その間見かけ上健康に
みえますが、ウイルスを排泄して、他の猫に病気をうつしてしまいます。
・猫エイズ:感染様式
ネコエイズウイルスは、このウイルスに感染している猫の唾液や血液に含まれているため、猫
同士の喧嘩などによる咬み傷からウイルスが体内に侵入して感染する場合がほとんどです。
猫エイズに感染した母猫から生まれてくる子猫に感染することもありますが、食器や
グルーミングから感染することは、まずありません。
症状
ネコエイズウイルスに感染した頃に発熱や下痢等がみられますが、多くの場合症状は消え、
外見上回復したようになります。この期間は数年間からそれ以上続き、この間も病気はゆっくり
確実に進行していきます。また他の猫への感染源ともなります。この後免疫機能が低下し慢性で
治りにくい口内炎や鼻炎、頑固な下痢などがみられ、さらに進行すると著しい体重の減少
(削痩)、貧血や悪性腫瘍がみられたり、健康な猫では感染しないような弱い病原体でもひどい
症状がでたりします。こうなると多くの場合、数か月以内に死に至ります。